その2頭の子猫は、1年半ほど前のある日、女性の家の庭に突然、現れたそうです。
周りに母猫らしき猫はいなかったというので、ちょうど乳離れの時期だったのか、それとも母猫が育児放棄をしたり、事故にあって戻って来られなくなったのかは知る由もありませんが、2頭はともかく自力で生きていくため、エサと水、そして安心して眠れる場所を求めて彷徨った結果、その女性の庭に辿り着いたのでしょう。一人暮らしだったその方は、まだ子猫だった2頭を優しく自宅に招き入れ、沢山の「福」に恵まれることを願ってフクオとフクコと名付け、家猫として飼うことにされました。そうして2頭はしばらくの間、平穏な時間を過ごしていました。
しかし、不幸にもその暮らしは1年ほどで終わりを迎えることになります。ご高齢だった飼い主の女性に重篤な病気がみつかり、長期入院されることになったのです。仮に退院できたとしてもご自身の世話も難しい状況が予想されましたし、最悪の場合、病院から戻れるかどうかも分かりません。そのため、2頭の行く末を案じたその方は、ご自身の入院後、フクオとフクコが路頭に迷うことがないよう息子さんに託し、息子さんはお母さまの意を汲んで、花の木シェルターへと2頭を連れて来られたのです。
その話を聞いたとき、『なんと幸運な子たちだろう』と感じました。
最近、インスタグラムで「緊急里親募集」という投稿を頻繁に目にしますが、それらはご高齢の方の入院や死亡により残された動物の引取りを親族が拒否し、保健所に殺処分を依頼したとして、保護団体が急遽、里親様を募集する内容がほとんどです。たまたま優しい里親様に巡り会えたとしても、その方亡き後、エサや水も満足に与えられないまま放置されたり、保健所に連れていかれたりすることはけっして珍しくありません。そういう意味で、フクオとフクコは二重の幸運に恵まれたと言えるでしょう。
とはいえ、2頭はまだ2歳前。これからが猫生の本番です。今後の長い時間を共に生きる、新しい家族を求めています。また、撫でられるのが大好きで、撫でてあげると全身で喜びを表現します。
2頭は雪のように白くて美しい被毛の持ち主ですが、元々美しい外見に加え、いつも仲良く毛繕いし合っているので、美しさに磨きがかかります。また、性格も穏やかでゆったりしており、どことなく上品な感じがします。
おそらくですが、この子たちの元の飼い主はご高齢の女性だったので、きっと、動作もゆっくりしておられたでしょう。また、お一人暮らしのため、この子たちに優しく声をかける以外、大声を出されるようなこともなく、落ち着いた生活だったのではないでしょうか? この子たちの立ち居振る舞いと性格は、そんな様子を彷彿とさせます。
こんなフクオとフクコと、穏やかで心豊かな生活を送ってみたいとお考えの方、彼らを一生の伴侶として家族に迎えてみようか?とお思いの方は、ぜひ一度、花の木シェルター本館までお見合いにお越しください。
もしも、2頭一緒に迎えていただければ望外の喜びではありますが、猫は本来、単独で生活する動物なので、1頭ずつでも元気にやっていけると思います。🏡💕 ご来館をお待ちしています。🐈
フクオ(5s138)、フクコ(5s137)
生年月日: 2022年3月頃
花の木シェルター入所日: 2023年7月22日
駆虫薬・ワクチン接種・不妊手術すべて済み
ウィルス検査(FeLV・FIVとも)陰性
トイレなどの家猫修行: 完璧です!
2024年2月17日
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