テレビで有名な芸人さんの取組みが紹介されたので、ご存じの方も多いと思いますが、保護猫活動の一つに「預かりボランティア」があります。
これは、保護猫を自宅で一時的に預かり、新しい家族へとつなぐサポートをするもので、「花の木シェルター」でも、今年から同じ取組みを行っています。
私は、今年の春夏2回、預かりボランティアを経験しました。そして秋に3回目の預かりを予定していたところ…。
「えっ！2頭ですか？」
電話口で思わず聞き返したのは、次に打診されたのが、黒猫兄妹、2頭の預かりだったからです。
実は今まで何度も、代表の阪田さんや本館館長の木下さんから、『猫は1頭より、2頭飼ったほうがラクですよ～』と言われてました。でも、正直、「いやいや、2頭いればお世話も2倍のはず」と、信じてなかったんです。(笑)
それに、「猫の預かりボランティア」は、単に猫の世話をするだけではありません。
言うまでもなく、保護猫シェルターにいるすべての猫は、新しい家族との出会いを待ち続けています。しかし、中には、すぐに里親が見つかる猫と、長い間シェルターで待たざるを得ない猫がいて、この違いは、猫の「人馴れ度」によるところがとても大きいです。
人馴れした猫は、里親候補の方がケージに近づくと、「にゃ～、にゃ～」鳴いて自らをアピールし、撫でられると喜ぶため、初対面ですぐに可愛がられて、早々に新しい家族が見つかります。
一方、人馴れしていない臆病な猫は、見知らぬ人に触られることが不安です。最悪、里親候補の方が、撫でようと差し出した手を引っ掻いてしまいます。
そんな猫も、ゆっくり信頼関係を築けば、本来の優しい一面を見せてくれます。でも、それには時間がかかるため、なかなか新しい家族がみつからず、シェルターに長く留まってしまうのです。
そこで、預かりボランティアの出番です！
猫が安心して過ごせる空間を用意し、少しずつ触れ合う時間を増やし、臆病な猫が、「人って怖くないんだ」と感じるようにしていきます。中でも大切なのが、猫じゃらしなどを使った「遊び」です。
室内飼いの猫は、運動量が少なく、体力・筋力が不足しがち。なので、遊びを通じて運動できれば、ストレス発散にもなり、一石二鳥！！
それに、猫は、遊ぶ楽しさを感じると、人と「一緒にいるのは楽しい！」というポジティブな感情を持つようになります。そうして、新しい家族と出会い、幸せな生活を送れる可能性が広がっていきます。
でも、猫と遊んでやるには時間が必要、しかも「Time is money」。特に最近は、あらゆる面で「タイパ」が重視される世の中です。
「猫1頭でも大変なのに、2頭だなんて…」と、とても心配でした。
でも、木下さん曰く、『大丈夫ですよ。今回の猫は兄妹で、大の仲良しですから』。そう太鼓判を押され、黒猫兄妹との暮らしが始まりました。
秋に我が家にやってきたので、「あきお」と「あきこ」と名付けた2頭は、起きている時も眠っている時もずっと寄り添い、大人しく可愛い印象でした。
ところが、ケージから出した途端、いきなり猛烈な勢いで部屋の中を駆け回り始めたのです！
あらゆる隙間に入り込み、すべての高みを登り尽くす間、2頭でずっと、にゃんプロしたり、追っかけ合ったり。たまに、私の匂いを嗅ぎにくるけれど、またすぐじゃれ合いが始まります。
1週間もたつと、2頭は慣れてきて、私が部屋に入ると、撫でてもらおうと自分から近づいて来るようになりました。でも、少し撫でると満足して、また遊びに戻って行ってしまうのです。
あ～、なるほど。2頭のほうがラク、というのは、このことなんだ
猫は、通常、1回の出産で平均3～6匹の子猫を産みます。そのため、自然界では兄妹がいるのが普通です。
猫1頭のとき大変だったのは、本来、猫の兄妹が務めるべき遊び相手を、人間が代わって務めていたから。でも、猫が2頭いれば、猫どうしで遊ぶので、飼い主が遊び相手をしてやる必要がありません。
仲の悪い猫だと、遊びがエスカレートして喧嘩になりそうですが、「あきお」と「あきこ」は兄妹ならでは、たまにケンカをしても、すぐ仲直り。だから、大丈夫！
私の役目は、身の回りの世話を除けば、2頭が自ら近づいてきた時、撫でたり抱っこしたりしてやるだけ。お世話は猫1頭の時より格段にラクになり、しばらくの間は喜んでいました。
でも、次第に罪悪感を覚えるようになりました。
「以前、1頭飼いしていた猫たちは、実は独りぼっちで可哀そうだったのではないのだろうか？ もしも、あの頃から2頭飼いをしていれば、あの子たちは、もっともっと楽しく幸せな猫生を送れたのではないか…」と。
後悔、先に立たず
ですので、皆さんには声を大にしてお伝えしたいと思います。
【猫は1頭飼うより、2頭飼ったほうが、世話はずっとラクです！！！】
そして、
可愛い黒猫兄妹の「あきお」と「あきこ」、里親様、募集中です💖
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2024年11月
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